素朴な風合いが魅力の伝統工芸、「やちむん(焼物)」。
沖縄に伝わった文化は、漆器、染物、酒、建物など、沖縄オリジナルの発展を続けてきたが、焼物もその一つだ。
焼物技術は「ヤチムン」の愛称で親しまれるようになり、日々の暮らしを支える土器、道具として独自の発展をしてきた。
土をこね、形を作り、そして火を入れて焼き上げるという点では同じだが、粘土は沖縄特有のサンゴ礁の体積による石灰成分と鉄分の多く含んだ赤土であるため、陶土でありながら磁器製品のような作陶技法となるのも「ヤチムン」の大きな特徴といえる。
県内各地に陶器工房があるが、なかでも有名なのが、那覇市壺屋発祥の壺屋焼と、やちむんの里と呼ばれている読谷村だ。
沖縄では現在も多くの家庭で、生活雑器として愛用されているため、自分だけのお気に入りの一品を探して訪ね歩く人も多い。年に数回、週末ともなると焼物市が催され、家族やカップル、そして焼物愛好家の旅行者で賑わう。
沖縄の守り神として、すでに全国で知名度を獲得しているシーサー。
威風堂々とした守礼門に立つシーサーから、門扉の上に座る手作りのシーサー、机の上に飾られたミニチュアシーサーなど、沖縄を訪れるとどれだけ生活に馴染み、また愛されているかをよく感じられる。
シーサーは、14〜15世紀頃、エジプト、そして中国を通り沖縄に伝えられたといわれている。 2体で一対となり飾られるのが基本となる。
阿吽(口が開いている)は正面向かって右がオス、 左がメス(口が閉じている)。オスの口から幸せ(福)を取り込み、口が閉じているメスが幸せを逃がさないとされています。町や村の入口や家屋の屋根の上に飾るのが始まり。
その主な役割は、家庭の幸福を守り、邪を払う守り神だ。
そのために獅子の風貌をしており、あらゆる邪気の侵入を寄せ付けない強さを込めた表情に作り上げられる。
愛らしい表情をしつつも安心感を感じられるのはそのためだ。
多くの場合、風水の思想に基づき 午(南)の方角へシーサーを向けると火災の防止に、丑寅(北東)の方角へ向けると台風から家を守る水難防止になると伝えられている。
気の入り口である玄関に置くのも効果的だ。
また、家族の繁栄を願って、結婚式の引き出物やプレゼント、新築祝いや開店祝いとしても贈られることも多い。
表情の第一印象がピンときたから、と選んでみるのも楽しい。
存在感を感じるために、その大きさを測る人もいるだろう。
家庭での新しいメンバーとなり、永く守ってくれる神様となるのだから、ぜひ気に入った一品を選んでほしい。
その点で、量産された製品の置物よりも、手作りで仕上げた一品がおすすめだ。
沖縄県内を歩いてみても、各地で自分や家族で作ったシーサーと出会うことも多い。
思いを込め、それぞれ違う表情や優しさを入念したシーサーとなるため、ずっと永く愛せる存在となっていく。
当工房では、すべて手作りの味わい深いシーサーを揃えている。
お手元に届いたら、ぜひ細部に至るまでのそのこだわりを観察してほしい。
土選びに始まるすべての工程において、お届けするみなさまのお宅にて時を刻んで幸せを守る様子を思い描きながら、心を込めて作っていることを実感していただけることだろう。